雷の誘導現象により電源線や電話線等の電気ケーブルに発生するもので、最も発生頻度の高い雷サージです。
静電誘導雷サージと電磁誘導雷サージがあります。

・静電誘導雷サージ
雷雲が発生し、その成長に伴なって、雷雲下部の「－」電荷の静電誘導により、地上の電気ケーブルに「＋」の電荷が、大地から徐々に機器の接地を経由して集められます。ところが落雷等の放電によって雷雲下部の「－」電荷が消滅すると、電気ケーブルの「＋」電荷はそれまでの「－」電荷による拘束が一瞬に解けるため、元の大地へ一気に戻ろうとし、これが雷サージとなります。従って静電誘導雷サージは電源線や通信線のように敷設長が長い電気ケーブルに発生しやすいことになります。

・電磁誘導雷サージ
避雷針や鉄塔等に落雷があると、この落雷電流によって強力な磁力線が発生しますが、この磁力線の電磁誘導により付近の電気ケーブルに高電圧が発生し、これが雷サージとなります。従って電磁誘導雷サージは避雷針や鉄塔等落雷が発生しやすい場所に近い電気ケーブルに発生しやすいことになります。