直撃雷(落雷)に起因する大地電位上昇はどのくらいの電圧ですか?

避雷針や鉄塔に落雷があり、落雷電流がこれらの接地極から大地に流れると、接地極には接地抵抗が存在するので、接地極付近は「落雷電流×接地抵抗」に相当する大地電位が上昇します。この電位上昇は、落雷電流が例えば20kAで、接地抵抗が10Ωの場合、20kA×10Ω=200kVになり、周辺に向かうに従って減少していきます。

電位が上昇した接地極と周辺の電位が上昇していない場所との接地極間に電位差が発生し、電位の高い接地極から電位の低い接地極へ機器を経由して雷サージが流れます。これが大地電位上昇です。

この大地電位上昇は、避雷針や鉄塔の接地極から大地に流れ出た落雷電流の一部が、別の接地極から機器内に逆流してくる雷サージと理解してもよいと思います。従ってこの大地電位上昇は、避雷針や鉄塔等落雷が発生しやすい場所に近い設備で発生しやすく、また直撃雷の一部でもあることから、誘導雷サージよりも遥かに大きなエネルギーの雷サージになる場合があります。